TOPPERS/OSEKカーネルは、(株)ヴィッ ツと名古屋大学情報科学研究科組込みリアルタイムシステム研究室と共同 で開発した自動車制御用リアルタイムOSです。本OSは「OSEK/VDX仕様 Version2.2.1 ECC-2」に準拠したOSで、TOPPERSプロジェクトへ開発成果物と してコントリビュートし、オープンソースとして無償公開致します。
TOPPERS/OSEKカーネルはTOPPERS/ATKに改称されました。
OSEKカーネルはこちら からダウンロードできます。
TOPPERS/OSEKカーネルの主な特長は次の通りです。
欧州の自動車メーカや電装部品メーカを中心とした標準化団体「OSEK/VDX」が 策定した自動車制御用リアルタイムOSを開発しました。自動車制御を目的とし て策定されたカーネルですが、他の製品にも応用可能なコンパクトなリアルタ イムカーネルとなっています。本OSは「OSEK/VDX仕様 Version2.2.1 ECC-2」 に準拠したOSです。
本OSを利用する場合に必要なSGツール(OSEK Implementation Language:OIL) を開発しました。現在のSGは更なる機能拡張を実施中であるため、当面実行ファ イルのみの提供となりますが、このSGもTOPPERSプロジェクトよりオープンソー スとして公開する予定です。
TOPPERS/JSPソースコードの流用はしていませんが、ITRON仕様OS開発ノウハウ を元に新規に開発したOSですので、「読みやすい」「改造しやすい」「機種展 開しやすい」などのJSPカーネルの基本コンセプトを継承しています。
OS共通部からターゲット依存部を分離設計していますのでターゲット依存部の 書き換えで容易に移植が可能となっています。
ダウンロード後直ちに製品として利用可能とするため、MODISTARC検証を行っ ています。MODISTARC検証とは品質検証のためにOSEK/VDXが定めたOSテストプ ランです。現在公開されているMODISTARCはOSEK/VDX Version2.0対応ですが、 Version 2.2.1に拡張された部位を含めてテストプランを再考して対応してい ます。
欧州の自動車メーカを中心として定められたC言語設計規約「MISRA-C」チェッ クを実施しています。カーネルのため、実行速度を優先する箇所やコードサイ ズを節約するために、敢えてMISRAコーディング規約を逸脱している箇所はあ りますが、逸脱する箇所は個別に検討を行い、MISRAの指摘する危険コードの 回避を行っています。
現在、コンフォーマンスクラスECC2(OSEK/VDX最上位クラス)に準拠したカー ネルのみ公開しています。他のコンフォーマンスクラス(BCC1、BCC2、ECC1) にも対応中であり、その開発は概ね完了しています。それらのクラスは現在 MODISTARC検証もほぼ終了し、応用化への検証が完了後に公開を予定していま す。
TOPPERS/OSEKカーネルは、現時点で、以下のターゲットプロセッサ、ターゲッ トシステムをサポートしています。
ディレクトリ名 | 開発環境 | |
---|---|---|
![]() |
プロセッサ(型番) | システム(メーカ名) |
h8tiny-renesas | Renesas社の開発環境 | |
H8(H8/36057F) | BB64E36057F((株)北斗電子) | |
m16c-renesas | Renesas社の開発環境 | |
M16C(M16C/26) | OAKS16-MINI FULLKIT((株)オークス電子) | |
m32c-renesas | Renesas社の開発環境 | |
M32C(M32C/83) | OAKS32 FULLKIT((株)オークス電子) |
TOPPERS/OSKEカーネルは、以下の環境を標準のソフトウェア開発環境としています。
Renesas社の開発環境 | ||||||||||||||||
ターゲット毎に以下の環境を標準のソフトウエア開発環境としています。
統合開発環境(HEW)とコンパイラは、ルネサステクノロジホームページより 無償評価版をダウンロードして、ご使用頂けます。
統合開発環境(TM)、コンパイラ(NC30WA)、モニタデバッガ(KD30)は、付 属CDのキットをご使用頂けます。インストール手順は、付属CDのマニュアルを 参照してください。
統合開発環境(TM)、コンパイラ(NC308WA)、モニタデバッガ(KD308)は、 付属CD のキットをご使用頂けます。インストール手順は、付属CDのマニュア ルを参照してください。 |
TOPPERSプロジェクトのメンバとして、TOPPERS/OSEKカーネルの開発に参加し ている開発スタッフは次の通りです(所属は参加した時点のもの)。
名前 | 所属 | 時期 | 担当 |
---|---|---|---|
高田広章 | 名古屋大学大学院情報科学研究科 | 2003年〜 | カーネル本体 |
- | 株式会社ヴィッツ | 2004年〜 | M32C、M16C、SG | 本田晋也 | 名古屋大学大学院情報科学研究科 | 2006年〜 | H8 |
※ 開発スタッフの名前は、掲載を了承された方のみ記載しています。