TOPPERS CAN/LIN通信ミドルウェアとは、現在の標準的な車載通信プロトコル である、CAN(Control Area Network)およびLIN(Local Interconnect Network)用のミドルウェアです。それぞれの通信プロトコルに対して、RTOS 上で動作するRTOS対応ミドルウェアと、RTOSのない環境で動作するNonOS対応 ミドルウェアがあります。
CAN/LIN通信ミドルウェアは、経済産業省による平成17,18年度地域新生コンソー シアム研究開発事業の採択テーマの1つである「自動車統合制御用組込みOSの 開発」の一環として、名古屋大学、(株)ヴィッツ、(株)サニー技研、東海ソフ ト(株)、名古屋市工業研究所、アイシン精機(株)、(株)豊通エレクトロニクス、 (株)OTSLが開発を担当しました。
CAN/LIN通信ミドルウェアの最新リリースはこちらからダウンロードできます。
RTOS対応のCAN/LIN通信ミドルウェアは、以下のパッケージで構成されてい ます。
NonOS対応のCAN/LIN通信ミドルウェアは、以下のパッケージで構成されていま す。
CAN/LIN通信ミドルウェアの主な特長は次の通りです。
通信用途・規模に合わせてパッケージを選択することで、多様な通信構成に対 応できます。例えば、大規模システムの場合はRTOS対応パッケージを、中小規 模システムの場合はNonOS対応パッケージと言うように、システムに最適なミ ドルウェアを選択可能です。
各通信パッケージは、それぞれ以下の標準仕様に準拠して実装されています。
RTOS対応CAN/LIN通信ミドルウェアは、OSEK/VDX Operating System Specification 2.2.1に準拠したTOPPERS/OSEKカーネル上で動作します。また、 既存アプリケーションのインタフェースがOSEK/VDX COM仕様、OSEK/VDX NM仕 様に準拠していれば、通信ミドルウェアだけの活用も可能です。
欧州の自動車メーカを中心として定められたC言語設計規約「MISRA-C」チェッ クを実施しています。カーネルのため、実行速度を優先する箇所やコードサイ ズを節約するために、敢えてMISRAコーディング規約を逸脱している箇所はあ りますが、逸脱する箇所は個別に検討を行い、MISRAの指摘する危険コードの 回避を行っています。なお、NonOS対応LIN通信ミドルウェアmaster/Slaveパッ ケージについては、現時点ではMISRA-Cに対応していません。
TOPPERS CAN/LIN通信ミドルウェアは、現時点で、以下のターゲットプロセッ サをサポートしています。
プロセッサ | システム(メーカ) | 開発環境 | コンパイラ |
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M32C/85 | S810-CLG3-85(サニー技研) | TM V.3.20A、KD3083 V.3.20 Release 1 | NC308WA Ver.5.20 Release 2 |
TOPPERSプロジェクトのメンバとして、TOPPERS CAN/LIN通信ミドルウェアの開発に参加してい る開発スタッフは次の通りです(所属は参加した時点のもの)。
企業名 | 時期 | 担当 |
---|---|---|
株式会社ヴィッツ | 2005年〜2007年 |
RTOS対応CAN通信ミドルウェアCOM RTOS対応CAN通信ミドルウェアCOM/NM RTOS対応LIN通信ミドルウェア |
株式会社サニー技研 | 2005年〜2007年 |
RTOS対応CAN通信ミドルウェアCOM RTOS対応CAN通信ミドルウェアCOM/NM NonOS対応CAN/LIN通信ミドルウェア |
東海ソフト株式会社 | 2005年〜2007年 |
RTOS対応CAN通信ミドルウェアCOM RTOS対応CAN通信ミドルウェアCOM/NM RTOS対応LIN通信ミドルウェア |
株式会社OTSL | 2006年〜2007年 | RTOS対応LIN通信ミドルウェア |