TOPPERS/FI4カーネルは、μITRON4.0仕様 に準拠したリアルタイムカーネルです。FI4 (Fullset ITRON4)の名前が示す通 り、μITRON4.0仕様に従って実装されています。
FI4カーネルは、情報処理推進機構(IPA) によるオープンソフトウェア活用基盤整備事業の採択テーマの1つであ る「μITRON4.0仕様に完全準拠し拡張を含むオープンソースμITRON仕様OSの 開発」の一環として、もなみソ フトウェア が開発を担当しました。
FI4カーネルの最新リリースはこちらか らダウンロードできます。
FI4カーネルの主な特長は次の通りです。
研究・教育への利用を想定して開発されたJSP カーネルをベースとしていますので、JSPカーネルに関する知識や経験を 流用することができます。
できる限り多くの部分をC言語で記述する、ターゲット独立部とターゲット依 存部を明確に分離するなど、JSPカーネルが採用した設計思想を踏襲していま す。アラームハンドラや割込みサービスルーチンなどターゲットプロセッサに 強く依存する拡張部分を除き、JSPのターゲット依存部がほぼそのまま流用で きます。
大部分がC言語で記述されているカーネルとしては、高い実行性能と小さいRAM 使用量を実現しました。
TOPPERS/FI4カーネルは、GCCなどのGNU開発環境を標準のソフトウェア開発環 境としています。そのためユーザは、カーネル本体のみならず開発環境もフリー で入手し、システム開発をおこなうことが可能です。
FI4カーネルは、現時点で、以下のターゲットプロセッサ/ターゲットシステ ムをサポートしています。
プロセッサ(型番) | システムメーカ | 開発環境 |
---|---|---|
SH3(SH7727) | MS7727CP01 (日立超LSIシステムズ) |
GNU開発環境(GCC3.2) GHS開発環境 |
TOPPERS/FI4カーネルは、GCCなどのGNU開発環境を、標準のソフトウェア開発 環境としています。インライン関数やインラインアセンブラ機能など、GCCの 拡張機能を用いている部分があります。
FI4カーネルで、C++バインディングを使用する場合、パッチが必要となります。 詳しくは、「TOPPERS C++ APIテンプレー トライブラリの開発環境」をご覧ください。
TOPPERSプロジェクトのメンバとして、TOPPERS/FI4カーネルの開発に参加して いる開発スタッフは次の通りです(所属は参加した時点のもの)。
名前 | 所属 | 時期 | 担当 |
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邑中雅樹 | (資)もなみソフトウェア | 2003年〜 | FI4カーネル本体 |
高田光隆 | (資)もなみソフトウェア | 2003年〜 | FI4カーネル本体、SH3 |