TOPPERS/A-RTEGEN(Automotive Runtime Environment Generator)は、TOPPERSプロジェクトで公開しているAUTOSAR向けRTEジェネレータです。
A-RTEGENは、名古屋大学組込みシステム研究センター(NCES)が、複数の企業と共同で開発した「AUTOSAR RTE仕様」をベースとしたRTEで、TOPPERSプロジェクトへ開発成果物としてコントリビュートし、無償公開致します。
(※AUTOSAR関連のソフトウェアを利用する際の留意事項については、こちらをご覧ください)
A-RTEGENは、AUTOSARの原文をベースとして曖昧な仕様や、未規定の仕様を明確化し開発を行っています。また、機能が多いため、すべての機能をサポートせず、限定した機能のサブセットとしています。 そこで、曖昧/未規定の仕様を解決し、サポートする機能について日本語で仕様を記述した次世代車載システム向けRTE外部仕様書を併せて、公開します。
A-RTEGENは次世代車載システム向けRTE外部仕様書に準拠しており、逆に実装に依存した仕様に対しては、A-RTEGENに実装した仕様を参考仕様として、次世代車載システム向けRTE外部仕様書に記載しています。
次世代車載システム向けRTE外部仕様書と併せて、次世代車載システム向けRTE用語集も公開します。
A-RTEGENの最新リリースはこちらからダウンロードできます。
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TOPPERS/A-RTEGENの主な特長は次の通りです。
欧州の自動車メーカや電装部品メーカを中心とした標準化団体「AUTOSAR」が策定した自動車制御用ソフトウェアプラットフォームに含まれるRTE仕様をベースとしています。外部仕様書は「AUTOSAR Release4.0 Revision3」をベースにしています。
AUTOSARでは、システムコンフィギュレーションにXMLを使用します。上位レイヤーから与えられるシステムコンフィギュレーションファイル(ディスクリプションファイル/XML)、RTE/OS/COMなどのECUモジュールディスクリプションファイルを入力として、タスク本体やデータ送受信用API、排他制御機構等のコード生成を行います。
欧州の自動車メーカを中心として定められたC言語設計規約「MISRA-C:2004」チェックを実施しています。一部、実行速度を優先する箇所やコードサイズを節約するために、敢えてMISRAコーディング規約を逸脱しているルールはありますが、逸脱する箇所は個別に検討を行い、MISRAの指摘する危険コードの回避を行っています。逸脱したルールは、今後TOPPERSコーディングルールとして、一般に公開する予定です。
現在、対応するOSは、基本セットのスケーラビリティクラス1と、メモリ保護機能を搭載したスケーラビリティクラス3、およびそれぞれのマルチコア拡張版となります。
タイミング保護機能を搭載したスケーラビリティクラス2、スケーラビリティクラス4に関しては、今後の開発を検討している段階です。
A-RTEGENは、Java言語を使用して開発しています(生成されるコードはC言語です)。RTEジェネレータとして使用するのみの場合は、Javaのソースコードは不要ですが、追加拡張等を行えるように、JavaソースコードもA-RTEGENに同梱しています。また、Eclipseを使用したA-RTEGEN開発環境は、こちら(Windows用Eclipse環境)からダウンロード可能です。 開発環境の使用方法は、A-RTEGENパッケージ内、src/readme_dev.docをご参照ください。
名古屋大学組込みシステム研究センター(NCES)が、AUTOSAR仕様をベースに、複数の企業と共同で開発した成果物の利用を促進する活動として AUTOSAR導入のアプローチの検討を行い、検討結果をまとめたガイドラインを公開します。
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TOPPERS/A-RTEGENの開発を行ったコンソーシアム型共同研究に参加した企業については、下記のページをご覧ください。