TOPPERS Project Newsletter第15号(2008年11月14日発行)TOPPERSプロジェクト http://www.toppers.jp/ |
目次TOPPERSカンファレンス2008開催 TOPPERSカンファレンス2008開催TOPPERSカンファレンス2008「TOPPERS JUMP UP! 新世代カーネルへの発展」は昨年と同じ大田区産業プラザ(PiO)にて6月20日(金)に開催いたしました。開会に引き続き、東京大学教授 中尾政之様の「失敗して創造させる組み込みソフトウェアの演習方法の模索」と題した特別講演がありました。東大機械系学生の就職先が重厚長大志向に戻ってきているが、産業界では失敗を恐れて“新しいことは何もやらない?”ということで信頼性を高めると考える風潮がある。大学では失敗を恐れず、何かに挑戦して作ってみよう、と新規性、独創性を生み出す研究に学生を鼓舞しているというご紹介があり、「失敗学」から事例紹介、考察など大変興味深い講演を頂きました。 引き続き、「TOPPERSプロジェクト活動報告」と題してTOPPERSプロジェクトの状況報告、活動内容の紹介、新世代カーネルロードマップの紹介などをTOPPERSプロジェクト副会長 加藤、運営委員 松本が行いました。 午後は、「オーバービュー」「チュートリアル」の2つのセッションに分かれて、「オーバービュー」セッションでは、TOPPERSの新OS、テスト、モデル設計、機能安全などの分野で6つの講演を行いました。「チュートリアル」セッションでは、TOPPERS コンポーネント仕様WG主査 大山が「組み込みコンポーネントシステム TECS 入門」を、教育WG主査 竹内が「動かしてみようTOPPETS/ASP」という内容で講演しました。 「オーバービュー」「チュートリアル」の2つのセッションの間には、会員企業6社による製品展示が行われました。 最後にTOPPERSプロジェクト会長 名古屋大学 高田教授が「組込みソフトウェア開発の将来とTOPPERSの役割」と題して基調講演を行い、TOPPERSプロジェクトの重点開発テーマなど、今後のTOPPERSプロジェクトが目指すものを発表しました。
各講演の内容など詳細は、TOPPERSプロジェクトの下記の記事をご覧ください。 TOPPERSプロジェクト第6回通常総会TOPPERSプロジェクト第6回通常総会が、6月20日(金16:30に、TOPPERSカンファレンス2008が開催されている大田区産業プラザ・コンベンションホールにて開催されました。出席者は委任状含め79名で、会の成立が報告された後、平成19年度事業報告(案)、収支報告(案)、平成20年度事業計画(案)、収支予算(案)が審議され、いずれも異議なく承認されました。引き続き、任期満了に伴う役員の改選が諮られ、満場一致をもって以下の方々が役員に選任されました。
理事:加藤博之氏、佐藤 明氏、竹内良輔氏、服部博行氏、英 和則氏、松本哲明氏、邑中雅樹氏、横井尚子氏、脇坂新路氏 以上をもって、TOPPERSプロジェクト第6回通常総会は、滞りなく審議を終了しました。 ASP Kernel Line Off Day2008年5月14日、TOPPERS新世代カーネルの第一弾、TOPPERS/ASPカーネルが一般公開されました。 この一般公開を記念して、ASPカーネルに対応した製品、サービスを紹介するイベントを5月14〜16日、組込みシステム開発技術展(ESEC)にて、ASP Kernel Line Off Dayと題して、開催しました。会場では、ASPカーネルを採用した製品のデモのほかに、TOPPERS新世代カーネルの紹介、マルチプロセッサ対応カーネル、TOPPERS/FMPカーネルの紹介も行われました。 ASP Kernel Line Off Dayに参加した企業のブースでは、ASPカーネルに対応したボード、開発環境のデモが行われ、来場された方々は、TOPPERS/ASPカーネルに対応した製品を興味深く見られていました。 ■ASP Kernel Line Off Day 参加企業(アルファベット順)
■ASP Kernel Line Off Day 協賛企業(アルファベット順)
ASP Kernel Line Off Dayを記念して、ASPカーネルの技術解説を掲載した冊子を作成しました。 この冊子は第11回ESEC、TOPPERSカンファレンス2008、ET-West2008にて配布しましたが、若干、残りがありますので、ご希望の方は、ET2008 TOPPERSパビリオンにてTOPPERSプロジェクト事務局までお申し出ください。無料にて進呈いたします。 TOPPERS of the Year 発表2008年6月20日 TOPERSカンファレンス 懇親会において、第4回TOPPERS of the YEAR の表彰が行われました。TOPPERS of the YEAR は過去一年間でもっともTOPPERSプロジェクトに貢献した活動、成果物に与えられる賞であり、プロジェクト正会員の投票により決定します。 第4回目の今回は、第10回LSI IPデザイン・アワード IP 優秀賞受賞「オープンソース保護OS:メモリ保護と時間保護を有する自動車向けリアルタイムOS」が選出され、論文執筆者を代表して(株)ヴィッツの片岡氏と名古屋大学の松原氏が表彰楯を受けられました。
<第4回TOPPERS of the YEAR の結果:上位3位>
<受賞者のコメント:(株)ヴィッツ 大西秀一氏> ET2008 特集■ET2008のご案内11月19〜21日、パシフィコ横浜で開催される、組込み総合技術展(ET2008)にTOPPERSパビリオンとして出展します。TOPPERSパビリオンでは、TOPPERSの開発成果物を採用した製品や、新世代カーネルはもちろん、パビリオンに出展している会員企業の製品・サービスを是非ご覧頂ください。 また、会場では、アンケートにご回答いただいた方に、楽しいプレゼントをご用意しています。是非、アンケートにご協力ください。パビリオン内のプレゼンコーナーでは、出展会員によるプレゼンテーションも行います。 ■ET2008スペシャルセッションのご案内ET2008 2日目の11月20日(木)13:00〜16:45に、「TOPPERSセッション〜TOPPERSプロジェクトの概要と開発事例〜」と題したスペシャルセッションを、会議センター3F[301]にて開催いたします。プログラムは、以下のとおりです。
■ETフェスタ のご案内ET中日の11月20日(木)17:00〜18:00には、ET会場内で恒例のETフェスタが開催されます。TOPPERSプロジェクトも昨年に引き続き、フェスタに参加します。各種飲み物、焼き鳥缶、駄菓子などをご用意して、皆さまのご来場をお待ちしています。ぜひご参加ください。 ■組込み業界コミュニティ交流会のご案内ETフェスタ終了後、18:30より、こちらも恒例の組込み業界コミュニティ交流会が開催されます。昨年は200名を越える参加者を得て、大きな交流の場となりました。今年は昨年より広い会場を確保しておりますが、皆さまに気持ちよくご参加いただけますよう、なるべく事前申し込みをお願いします。
日時:11月20日(木)18:00入場開始、18:30〜 ■TOPPERS パビリオン/ET2008 共同出展企業紹介(50音順)(株)エーアイコーポレーション
TOPPERSカーネルをベースとしたソリューションをご指定ハードウェアに実装するエンジニアリング、各種ミドルウェアの提供といった組込み向けリアルタイム製品のご提供致してます。エーアイコーポレーション・ブース(E-28)では、ARM搭載ボードによるデモンストレーションや及び最新製品のご紹介を致しております。 キャッツ(株)
私どもキャッツ株式会社は、拡張階層化状態遷移表設計手法をサポートする独自のツール「ZIPC」を世界に先駆けて世の中に送り出しました。以来、多くのユーザーの皆様方のご要求や熱い期待に育てられ、おかげさまで2008年度は誕生20周年を迎えることができました。今後も業界をリードし、また、ソフトウェア開発者のためのパートナーとして、CASEという道具作りを通して皆様に貢献し続けてまいりたいと願っております。 (株)協栄エレクトロニクス
当社は、マイクロコンピュータのデバッグ装置の販売から出発し、ネットワークのトラブルシューティングツールの販売、技術セミナー、保守と幅広くサポートしている企業です。また、組込み技術者を対象に、学校・一般企業の技術者育成のための教材を開発し、セミナー等を積極的に展開しています。 (株)サニー技研
TOPPERSで公開されておりますTOPPERS/ASPカーネルをはじめ、TOPPERSオープンソースソフトウェアが実行可能な共通プラットフォームTOPPERS Platform Board 《S810-TPF》を出展。また、サニー技研の車載ネットワーク技術とフラッシュプログラミング技術、今後の展開についてご紹介。 (株)ソリトンシステムズ
ソリトンシステムズは、C言語からのハードウェア設計ソリューション「eXCite」を出展します。TOPPERSを用いたソフトウェア処理の高速化にハード設計が必要となった場合、ハード設計言語 HDL を使用することなくC言語(ANSI-C)だけでハード設計ができます。会場では、eXCite による設計フローを、実機デモを交えながらご紹介します。 (株)テック・エス・シー
弊社は組込・制御分野、Open系ソフトウェアの受託開発及び技術者の提供を中心に業務を行っております。今回のET2008の展示では、自律制御をテーマに電動ヘリコプターのホバリングにチャレンジします。ヘリコプターはメインロータを前後左右に傾ける事により前進方向転換を行います。その為、ホバリングを行うには複数のセンサー、サーボを総合的にコントロールする必要があり難易度の高い制御となります。 東海ソフト(株)
・RTOS対応CAN/LIN通信ミドルウェア 東芝システムテクノロジー(株)
組込み・監視制御システムの開発受託を主な業務とし、発電プラントを中心に実績を積み重ねてまいりました。この技術蓄積をベースに、製造業界の高安全化、高信頼化システムのニーズに広く応えています。ET2008では、IEC 61508(機能安全規格)に基づいたソフトウェア安全性評価ツール「安診太郎」を出展しています。本ツールはIEC 61508が推奨する技法の適用状況からソフトウェアの安全性を評価します。 日本電気通信システム(株)
弊社はユビキタス時代のネットワークの姿を「通信」「組込みシステム」両面から追求しています。ソフトウェア・ハードウェア開発からコンサルティング、システムインテグレーションまで通信における幅広い領域で企業へのソリューションを提供しています。また、20年以上にわたり積み重ねてきたノウハウをベースに車載機器・情報家電・複合事務機など、組込み製品を開発する企業にソリューションを提供しています。 (株)ヴィッツ
経済産業省 平成18,19年度 戦略的基盤技術高度化支援事業 採択テーマ「機能安全対応自動車制御用プラットフォームの開発」について、Nゲージ鉄道模型システムを用いて採択テーマに対する取り組み内容や機能安全を目に見える形で解り易くご紹介させて頂きます。また、組込みソフトウェアソリューションの一つである教育コンテンツ(X-By-Wireデモ装置[CANシステム])、キャッツ(株)との共同企画をご紹介させて頂きます。 (株)ワイ・デー・ケー YDKテクノロジーズ
YDKテクノロジーズは、組込み機器向けミドルウェア、ハードウェアIPの販売および、組込みネットワークを中心としたデザインサービスを行っています。 ■協賛企業紹介
アイシン・コムクルーズ(株)
近年、自動車は電子化が進み、製品に組込まれるソフトウェアの役割は一層重要となり、高度な技術と高い信頼性が求められています。ソフトウェア開発の専門会社「アイシン・コムクルーズ」は、この様な状況の中でソフトウェアの技術をリードし、高品質な製品開発を実現するために設立されました。http://www.aisin-comcruise.com/
(株)グレープシステム
株式会社グレープシステムは、組み込みと印刷関連の二つの分野に特化した開発・販売活動をおこなっています。
本展示会では、802.11x無線LANソリューションをはじめとして、Awox社製DLNA開発用SDK「Media Server Plug-in SDK」「Media Renderer Plug-in SDK」「CONTROLLER SDK」大好評のUSBソリューション製品群など、新技術のデモを取り揃えております。TOPPERSを含めた組み込み業界の主要団体への参加や、様々なパートナーとのコラボレーションによって更にビジネスを拡大し、大きく躍進する企業を目指しています。
(株)ソフィアシステムズ
ソフィアでは、開発環境によるTOPPERSサポートを通し、TOPPERS会員各社と協力し、お客様が短期間にTOPPERS搭載製品を市場に投入する為の支援を継続的に行っています。最近では、資産を有効活用できる新しいJTAGエミュレータ「EJ-SCATT」をリリース。もちろんTOPPERSにも対応しています。開発環境の他にも、コンサルタント業務、受託開発、量産も行い、TOPPERS普及に努めています。
■ET2008 出展会員企業紹介
■ET2008 TOPPERSブース内プレゼンテーションのご案内
技術検討会議報告■技術検討会議とはTOPPERSプロジェクトでは、会員が自由に技術的な討論、意見交換や技術交流を行う場として、技術検討会議を開催しています。最近では、以下のテーマについて開催されました。
■技術検討会議の概要ARM社のCortex-M3プロセッサは、メインループと割込みハンドラで構成されるRTOSを用いないローエンドの組込みシステムを対象としており、これまでのARMプロセッサと異なるアーキテクチャとなっています。具体的には、コード効率を重視したThumb2と呼ばれる命令セットをサポートしており、割込みに関しても、C言語だけで割込みハンドラが記述できるように、アーキテクチャを変更しています。このような違いがあるため、カーネルの依存部はARMプロセッサとは別に新規設計する必要があります。 現状、複数の開発者がCortex-M3プロセッサに対して、TOPPERSカーネルのポーティングを進めております。前述の通り、Cortex-M3プロセッサは、RTOSの使用を前提としていないため、RTOS向きのアーキテクチャでなく、さらにRTOSを実装する上で必要となる詳細なプロセッサアーキテクチャが記述されたマニュアルの入手が困難であるため、開発者毎(カーネル毎)に実装方法が異なってしまう恐れがあります。カーネル毎に実装方法が異なると、カーネル間でのアプリケーションのポータビリティが損なわれてしまいます。そこで、関係者で集まりカーネルのポーティング方法について議論することにしました。 会議は、ASPカーネルへのポーティング担当者が作成した、Cortex-M3のアーキテクチャと依存部の設計方針をまとめた設計メモをレビューする方法で進めました。 ■技術検討会議の成果Cortex-M3のアーキテクチャに関しては、開発者間で正しい情報の共有が実現できました。また、設計メモの記述内容について、内容が不十分な点について詳細化しました。しかしながら、いくつかの点に関しては、仕様の詳細がマニュアル等から読み取れなかったため、未解決課題として設計メモに残しました。 依存部の設計方針に関しては、全体のレビューにより記述を詳細化しました。ITRON系とOSEK系のカーネルとでは、タスク例外機能の有無により、ディスパッチャや割込みの出口の設計(使用するプロセッサのモード)が異なることになりました。また設計方針に該当するソースコードのレビューも行いました。サポート可能な割込みの数がアーキテクチャで最大サポート可能な数より小さいという問題があったため、修正を行いました。 会議の結果を反映させた設計メモを含むCortex-M3の依存部は、10月にTOPPERSプロジェクトから、一般公開しました。 開発者会議報告9月19日から9月20日にかけて、第8回TOPPERS開発者会議(開発者合宿)が開催されました。 ■開発者会議とはTOPPERSプロジェクトの開発者たちは、地理的に離れた産学官の組織にそれぞれ所属しており、開発に関する意思疎通は基本的にはwebおよびメールで行っています。殆どの問題はネットを使って解 決可能ですが、技術的な背景が広く深い場合、各自の技術的信念に基づく場合、所属組織の事情が絡む場合など、対面で議論すれば判る話でも文章では汲み取りづらくなります。 また、組込みシステムの注目とTOPPERSプロジェクトの実績が増すにつれて、開発者が技術面以外の活動に忙殺され、腰を据えて技術検討する機会が減りつつあります。 開発者会議とは、職場以外の場所で集い、TOPPERSプロジェクトの成果物に関して没頭する機会を提供する合宿イベントです。 また、開発者会議は、TOPPERSプロジェクトの技術開発においては、最重要な決定が行われる場でもあります。時にμITRON仕様を始めとする組込みシステムに対する広く深い知識が必要になることもあります。しかしながら、TOPPERSプロジェクトの会員であれば、誰でも参加できます。 議論に参加する意欲がある方の参加をお待ちしております。 ■第8回開発者会議報告TOPPERSプロジェクトは、μITRON4.0仕様の10年にわたる歴史を踏まえた、新しいリアルタイムカーネルをめざし、実装のみならず仕様まで策定しようとしています。今回の会議では、その新世代カーネルの骨格となる TOPPERS統合仕様について活発な議論が行われました。 TOPPERS新世代カーネルの機能は、ほぼμITRON4.0仕様の分量に匹敵し、マルチコアやメモリ保護などの拡張で必要になりそうな論点を予め考慮する必要があります。 1泊、10時間を超える会議とはいえ、全く時間が足りません。そこで、議題は予めイシュートラックシステム(Trac)に登録し、検討に漏れがないことを確認しながら行いました。結果は、やはり時間の不足で積み残された議題はあったものの、重要な決定を含む多くの議題を消化することができました。 新世代カーネル仕様は、今後、一般公開前の最後のブラッシュアップとなる11月11日の技術検討会議を経た後、リリースに向けた作業が本格化する予定です。 ET WEST6月5日(木)6日(金)にインテックス大阪にて開催されたET-Westに、昨年に引き続き出展しました。今回は、ASP Kernel Line Off Day の紹介をはじめ、会員ロゴ、プロジェクト紹介、ロードマップ、ASPカーネル紹介、教育WG紹介など、5月に開催したESECで展示したパネルや会員企業のデモを中心に展示しました。 またコミュニティセッションにおいて、6月5日(木)15:00〜17:00に高田会長が「TOPPERSプロジェクトの現状とTOPPERS新世代カーネルの概要」と題した講演を行いました。 新リリースTINET 1.5βの会員向け早期リリースを開始しました。ITRON TCP/IP API仕様に準拠し、IPv4だけでなくIPv6にも対応した、コンパクトな TCP/IPプロトコルスタックです。また、TOPPERS新世代カーネル統合仕様書 Release 1.B.2の会員向け早期リリースを開始しました。μITRON4.0仕様に対して、保護機能対応、マルコアプロセッサ対応などの拡張や、種々の改良を加えたTOPPERS次世代カーネル統合仕様書の最新β版です。会員のレビューを通して、Release 1.0として公開する計画です。 SWEST組込みシステム技術に関するサマーワークショップ(SWEST10)が、9月4日(木)5日(金)の2日間にわたって、浜名湖:舘山寺温泉の遠鉄ホテルエンパイアにて開催されました。TOPPERSプロジェクトは共催団体として、運営の支援をしました。 今年は第10回という記念すべき年にあたり、「組込みシステム開発の次の10年を考える〜ここまで歩いたこの10年 どこまで行こう次の10年〜」をテーマに取り上げました。昨年を上回る190名近い参加者を得、深夜にまで及ぶ熱い議論がかわされました。詳細については、SWESTのホームページ(http://www.ertl.jp/SWEST/)をご参照ください。 また、SWEST10 に先立って、学生主導の運営によるサマースクール(SSEST4)が同会場にて開催されました。こちらも40名という参加者が3日間の有意義な時間をすごしました。詳細は、SSESTのホームページ(http://www.ertl.jp/SSEST)をご参照ください。 SWEST10では、参加者の投票により優れた発表に対して贈られるベストポスター賞を、TOPPERSの会員である(株) ヴィッツの皆さんが受賞されました。 TOPPERS/OSEK名称変更、利用についてこの度、TOPPERS/OSEKカーネルは TOPPERS Automotive Kernel Ver1 と名称変更をいたします。近年、自動車向けRTOSの動向として、欧州発のAUTOSAR OSにシフトしそうです。そのため、TOPPERSプロジェクトでは、AUTOSAR OSも視野に入れ、自動車向けのカーネルを同一名称にする方針を固めました。 現在公開しているOSEKカーネルは、Version 1 シリーズとしてこれからもサポートしてまいります。今後、AUTOSAR 仕様のOSなどを公開する場合は、TOPPERS Automotive Kernel Ver2 などの名称とする予定です。TOPPERSの自動車向けソフトウェアにご期待ください。 公募事業今年度TOPPERSプロジェクトで募集致しました公募型事業の公募結果をご報告致します。 本公募は「TOPPERSプロジェクトの役に立つ」事を前提に、TOPPERSプロジェクト会員、非会員(当選後は会員になって頂く事が条件)に対して公募を行い、応募された事業のアイデアの独創性、実用性などを評価致し、当選事業に対して予算をお支払いする TOPPERSプロジェクトの事業計画の一つです。また、その成果物はTOPPERSプロジェクトの成果物として一般に公開します。
応募総数:11事業 運営委員に聞く第4回目はYDKテクノロジーズの松本さんにご登場いただきました。 Q1
なぜTOPPERSプロジェクトに関わるようになったのですか? A1
2002年に自社製のEthernetMAC IPコアとTCP/IPプロトコルスタックを販売するためにOSの調査しているうちに、TOPPERSを見つけました。対応するプロセッサも豊富だったことから、採用することにしました。採用するならプロジェクトにも加盟しようと言うことになり、すぐに入会しました。 しばらくの間、ユーザーとして活動していたのですが、2004年に高田会長から、TOPPERSを使っている会員として、運営委員にお誘い頂き、運営委員会に参加するようになりました。 Q2
YDKテクノロジーズとTOPPERSプロジェクトとのかかわりは? A2
YDKテクノロジーズは主に通信関連機器のH/W,S/Wの開発を行っています。このS/WのOSとして、TOPPERSを採用しているほかに、ミドルウェア、開発ボードとJSPカーネルを組み合わせたネットワーク開発キットを販売しています。今までは、ユーザーとしてのかかわりだけだったのですが、今年から、TOPPERS/ASPカーネルのMicroBlaze依存部の担当をさせていただくことになりました。 Q3
運営委員としての役割は何ですか? A3
展示会運営委員会の委員長として、TOPPERSプロジェクトが出展する各種展示会の対応をしています。ですので、TOPPERSが出展しているところには必ずいるはずです。 正式な運営委員としての役割はそれだけなのですが、この数年、TOPPERSカンファレンスの懇親会で、ライトニングトークの司会も定着してしまったようで、まあ、イベントなんでも屋さんのようになってきてますね。 Q4
展示会運営委員会というと、具体的にはどのようなことをされているのですか? A4
展示会の企画から、展示するものの手配、パネルの作成、ブースの設営まで、何でもやります。(もちろん、私だけではなく、事務局や展示会運営委員会の他のメンバーと一緒にやってます)展示会の前は学校の文化祭の前みたいな感じになりますね。 Q5
展示会の対応で一番大変なことは何でしょう? A5
毎年、5月のESEC、6月のET-West、11月のETに出展しているのですが、一番というと、ET出展が一番大変です。ETはTOPPERSパビリオンとして出展していますので、出展社の募集や、パビリオンの造形、また、パビリオン内の様々なことをしなければいけないので大変です。TOPPERSパビリオンには、YDKも出展していますので、ブースの手伝いをしなければいけないのですが、全く出来ないため、社長から「TOPPERSの松本さん」と皮肉を言われるような状況です。 Q6
最後に、TOPPERSパビリオンのアピールをどうぞ A6
TOPPERSプロジェクトでは毎年11月にパシフィコ横浜で開催される組込み総合技術展(ET)においてTOPPERSパビリオンを開催しています。 TOPPERSパビリオンには、毎年、多くの方が来場されますので、会員企業の製品・サービスを紹介する良い機会だと思います。 来年も、TOPPERSパビリオンを開催しますので、ご興味のある方は、事務局まで、お問い合わせください。 コンポーネント仕様WGコンポーネント仕様WGでは、組込みコンポーネントシステム TECS (Toppers Embedded Component System) の参照実装を、TOPPERSカンファレンス2008にあわせてTOPPERSプロジェクトの会員向けに公開いたしました。引続きコンポーネント仕様WGでは、来年春に予定している一般公開に向けて、鋭意開発を進めているところです。さて、組込みコンポーネントシステムって何だろう、TECSって何だろうという方のために簡単にご紹介させていただきます。 まず、組込みコンポーネントシステムとは、組込みソフトウェアを部品化する仕組み、さらに部品を組合わせてアプリケーションプログラムを構築するための仕組みを言います。ソフトウェアを部品化するというアイデアは古くからありますし、非組込み向けのシステム用には、既に普及しています。実は、組込み用にも多くの組込みコンポーネントシステムが提案されているのですが、これまで普及に至るものがありませんでした。 そのような中、我々が必要だと思う機能を満載して、TECSを開発いたしました。例えば分散フレームワークやトレース機能を提供します。また、ROM化コードの生成は意外と便利な機能です。その他にも有用な機能が盛りだくさんです。大規模化する組込みソフトウェアをコンポーネント構造にすることでシステムの見通しをよくし、部品化の仕組みを提供することで部品流通を促進することを狙いとします。是非ご期待ください! 教育WG、セミナ紹介教育WGでは、新しい教育活動として基礎コースの開発と若手のメンバーによる「組込み楽しいな企画」を検討中です。 (1)基礎コースは、1から3までのセミナで構成予定です。基礎1では開発環境やハードウェア基礎がメインでRTOSを使わない組込み開発の基礎を習得するコースです。基礎2はRTOSとしてTOPPERS/ASPを対象とし、組込み開発でのRTOSを使う基礎を学ぶセミナです。基礎3は組込みプラットフォームの開発方法に関するセミナにする予定です。 (2)組込み楽しいな企画:組込み開発は通常のIT系の開発とは違ったスキルやノウハウを必要とされると言われています。組込み開発でまとまった規模のソフトウェア開発を行う場合、プラットフォームと呼ばれるシステムの基礎部分をしっかり構築しないと、全体が不安定で拡張性に乏しいものになります。また、ソフトウェアプロダクトラインの手法が組込み開発に注目されていますが、目標やプロセスは、だいたい理解できても、実際の商品開発は目標通りには行かない事はよくあることで、特にソフトウェア規模が大きくなるとこの傾向は顕著になるように思われます。目標と実際のギャップはどこにあるのでしょうか?教育WGでは若手のメンバーにChumbyをベースに組込みシステム開発にチャレンジしてもらい、進捗や開発で発生する種々の問題をリポートしてもらい、この問題を検証していきたいと考えています。若手技術者の参加も歓迎しております。果たして、Chumbyシステムはうまく開発できるのでしょうか? 最後に11月,12月に行います基礎1実装講師教育セミナについて、ご案内します。このセミナは講師教育用に解説ノート付テキストで講習を行うばかりではなく、座学の部分は講師解説を録音し、後日、Web公開します。講師は名古屋大学の本田先生や組込み開発経験者が行います。ふるって参加をお願いします。
11月27日(1日目)組込みハード、開発環境基礎 参加のお誘いTOPPERSプロジェクトでは,プロジェクトの趣旨に賛同してくださる方の参加を待っています。プロジェクトの会員となることで、次のようなメリットがあります。
NPO法人の会員には、主に団体を対象とした正会員と、個人を対象とした準会員に加えて、プロジェクトに貢献していただける教育機関・公的機関・非営利団体・個人で会費を支払うことが難しい方を対象とした特別会員の制度を用意しています。 TOPPERSプロジェクトに何らかの形で貢献されたい方、プロジェクトで開発したソフトウェアをお使いの方、プロジェクトに興味をお持ちの方は、是非入会をご検討ください。 お問い合わせTOPPERSプロジェクトに関するご質問や入会の申込みは、下記事務局宛にお願いします.また,プロジェクトのウェブサイト(http://www.toppers.jp/)には、活動の詳細を紹介する資料を置いていますので、ぜひご参照ください。 編集後記TOPPERSプロジェクトニュースレターに最後までお付き合いくださりありがとうございました。11月19日から開催されるET2008 のTOPPERSブースへ是非お立ち寄りください。ニュースレターへのご意見などございましたら、TOPPERSプロジェクト事務局 secretariat@toppers.jpまでご連絡いただければ幸いです。 Copyright (C) 2000 - 2008 by TOPPERS Project, Inc. All Rights Reserved.
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