TOPPERS Project Newsletter

第11号(2006年11月10日発行)

TOPPERSプロジェクト
http://www.toppers.jp/

目次

TOPPERS設立3周年を迎えて/高田会長対談
ET2006特集
ARMフォーラム 出展報告
TOPPERS カンファレンス2007のご案内
日中組込みフォーラム in 西安
TOPPERS 中級実装セミナー
開発者会議報告
参加のお誘い/お問い合わせ先

TOPPERS 設立3周年を迎えて/高田会長対談

【 編集 】
今日は、NPO設立3周年を迎えた TOPPERS プロジェクト会長を迎え、今までの3年を振り返るとともに、今後の 活動についてお話を聞きたいと思います。高田会長、NPO 法人化3年おめでと うございます。早速ですが、この3年間のプロジェクトの活動において注力し たことについて教えてください。

【 高田 】
ありがとうございます。この3年間で3 本のOS を開発し、実に毎年1 本のペースでカーネルを書いています。一昨年 はTOPPERS/OSEK カーネル、昨年はHRP カーネル、今年はASP カーネルを書き ました。TOPPERS プロジェクトはこれからも良質で、且つ、時代にマッチした カーネルを提供したいと思います。

【 編集 】
3つのカーネルが一般/早期リリース されました。今、「書かれた」と言われましたが、「自ら書かれた」というこ とですか?

【 高田 】
はい。自分でコーディングしています。 確かに、すべてを自分一人で書いているわけではないですが、カーネルのコア 部分や方針などは私が書いています。いずれのカーネルもプロジェクトメンバー の協力や意見交換などをして、必要とされる機能は盛り込んでいます。

ASP カーネルは今、最終コードを書いている途中です。このASP はHRP よりも 先に開発を始めましたが、HRP 開発の要求が高く、HRP を先に開発しました。 ASP カーネルは、開発メンバーと検討を重ねて、TOPPERS プロジェクトがμ ITRON 仕様の拡張仕様を検討したはじめのカーネルになります。

【 編集 】
すると、ASP やHRP はJSP のように、 μITRON4.0 仕様にぴったりと合致した仕様ではないということですね。

【 高田 】
はい。いろいろ悩みましたが、μ ITRON4.0 仕様が公開されてかなりの時間が経過しています。さすがにカーネ ルに対する要求も変わってきていると思います。JSP は読みやすさや改造のし やすさに注力していましたが、ASP やHRPカーネルは、品質、安全、移植性を 重視した仕様にしています。そのため、μITRON の特徴であった、弱い標準化 によるハードウェア資源最適利用から脱却しています。

例えば、HRP カーネルでは、カーネル内のエラー後処理なども規定しています。 ITRON 仕様ではこれらの処理は未規定となっていて、実装依存になっています。 そのため、これらの処理はアプリケーションで対策する必要があり、異なる環 境に移植すると問題が発生します。よく陥る機能であれば、これらの問題はす ぐにわかるのですが、フォルト復旧処理などでは頻度も少なく、ある日突然問 題が発生することが考えられます。このような事は、割込み処理などのハード ウェア特性にも依存するので、割込みモデルの標準化なども検討しました。

【 編集 】
なるほど、組込み機器の不具合問題に も関係する事項をカーネルの立場からも検討したわけですね。また、NPO 法人 化後も以前と変わらず常に新しい仕様検討や開発をされたことが理解できまし た。最後に、これからのTOPPERS プロジェクトはどうなりますか?

【 高田 】
多くの方からマーケティング方面につ いても検討するように言われます。そのため、プロジェクトの方向性や対象機 器などについても検討を重ねています。昨年お伝えしたHiQOS はオープンソー スのソフトウェアが自信もって機器に利用できる品質を確保することの意思表 示です。このように、マーケティングについては、引き続き検討します。

しかし、私としては高い技術力を持つプロジェクトを目指したいと思いますの で、今後も今まで同様に新しいソフトウェアの開発をしたいと思います。今ま でとはやり口の異なる保護機能、マルチプロセッサ、機能安全などにも積極的 に挑みたいと思います。

TOPPERS プロジェクトは、産業界に魅力のある機能、品質を確保した成果を提 供し、組込み業界の活性化や問題点にOS やプラットフォームの立場から考え ます。このプロジェクトの活動を通じて会員企業や業界の皆様が元気になるよ うがんばります。

ET2006特集

TOPPERS パビリオン全体紹介

2006年11月15日〜17日にパシフィコ横浜で開催される、組込み総合技術展( Embedded Technology 2006; ET2006 ) に昨年同様、パビリオン出展します。

パビリオンでは、TOPPERS プロジェクトメンバー企業各社が自社製品や TOPPERS プロジェクト成果物を利用した展示を行います。また、本年5月に開 催されましたTOPPERS カンファレンスで"TOPPERS of the Year"を受賞した、 FlexRay 通信ソフトウェアを利用した電動カートを展示します。多くの皆様の ご来場をお待ちしております。

TOPPERS パビリオン出展企業紹介

■(株)協栄エレクトロニクス No.1

当社は、ネットワークのトラブルシューティング装置の販売から技術セミナー や保守など幅広くサポートしている技術商社です。九州からの最新技術の発信 を目指し、商社の枠にとらわれることなく、常に斬新なアイデアを持って自社 製品の開発・販売まで行っております。

今回出展するのは、自社製品のμiTRON 組み込み学習キット。本キットは、μ iTRON 準拠OS が動作可能なハードウェアとエンベデッドシステム開発に必要 なソフトウェア環境およびテキストを1 つのパッケージにした製品で、技術者 の育成や評価など幅広くご利用が可能です。展示会場では、本キットとオプショ ンボードを使った鉄道模型制御システムを展示します。

■東海ソフト(株) No.2

★保護機能OS
経済産業省の平成17,18年度地域新生コンソーシアム研究開発事業 「自動車統合制御用組込みOS の開発」の開発成果である保護機能 OS(メモリ保護、時間保護機能)を展示します。当社は地域コンソ ーシアムメンバーとして開発に携わっており、名古屋大学情報科学 研究科組込みリアルタイムシステム研究室と(株)ヴィッツ、サニー 技研(株)との共同開発を行っております。

★TOPPERS/OSEKカーネル用開発シミュレータ
Windows のVisual C/C++にてTOPPERS/OSEK アプリケーショ ン開発を行う事ができるシミュレータです。当社では保護機能OS の開発を本シミュレータを使用して行っています。

■(株)ヴィッツ No.3

★保護機能OS
「自動車統合制御用組込みOS の開発(共同開発事業・前出)」のサ ブテーマである保護機能の必要性をCAN 通信ミドルウェア・LIN 通信ミドルウェアと組み合わせてラジコンを用いたデモで紹介しま す。

★FlexRay 電動カート
FlexRay 電動カートは、FlexRay 通信ソフトウェアセットを用いて X-By-Wireを実現しています。FlexRay通信ソフトウェアセットは、 (株)ヴィッツ、(株)サニー技研、名古屋大学が共同開発したもので、 FlexRay 通信に必要なタイムトリガ処理を実現するタイムトリガ OS と、FlexRay 通信ミドルウェアにて構成されています。FlexRay 電動カートは乗降・操作可能となっていますので、次世代車載ネッ トワークFlexRay やX-By-Wire を是非体感してください。

■(株)サニー技研 No.4

★FlexRay Station【S810-F1】
USB2.0 Hi-Speed モードに対応した超小型オールインワンの FlexRay バスモニタです。
・最高10Mbps の2FlexRay バスチャネル同時モニタ
・各種シンボル、エラーのモニタリング
・受信フィルタ表示、フレームのカラー識別表示
・時系列表示、ID・サイクル固定表示、同時表示可能

★車載ネットワーク通信ミドルウェア
CAN、LIN、FlexRay 対応の通信ミドルウェア。
・通信ミドルウェアの販売、オープンソースの提供、カスタム対応、 技術サポートを提供。
・多くの車載実績に裏付けられた高信頼性
・ECU開発時の通信I/F 部分の事前評価が可能
・統一されたAPI,ハード依存部分の独立構造による高移植性

■横河ディジタルコンピュータ(株) No.5

高速・信頼性の高い車両制御ネットワークFlexRay 通信に対応した評価ボード、 解析ツールについてご紹介します。

★FlexRay スタータキット
FlexRay システムの初期導入教育、通信動作・出力信号の波形観測などに最適 な環境を構築できる評価ボードです。

★FlexRay バスアナライザ FLEXcope GT300
高速で複雑なFlexRay バスから正確に事象を捉えてモニタし、履歴 を記録することが可能な、高性能バスアナライザです。

★FlexRay データジェネレータ FLEXcope GT350
FlexRay 通信の検証ニーズに対応したFlexRay データジェネレー タです。ユーザーが送信データパターンを作成し、送信することが 可能で、開発途上におけるノードの代替としてご活用いただけます。

■NECエレクトロニクス(株) No.6

TOPPERS FlexRay ミドルウェアパッケージを搭載した電動カ ートの展示に合わせ、カートに搭載した評価ボードおよび、移植に 使用した開発環境のご紹介をTOPPERS パビリオンにて行います。 また、弊社独自ブースも設けており、V850、78K マイコンを中心 に、各種ソリューションの展示を行っております。TOPPERS パビ リオン共々、ぜひお立ち寄りください。

■(株)ルネサス テクノロジ No.7

ルネサスでは、サードパーティと協調し、FlexRay 通信を実現するソフトウェ ア(タイムトリガ処理を実現するタイムトリガOS、FlexRay 通信ミドルウェア) を開発しTOPPERS プロジェクトより、会員向け早期リリースしています。

今回のET2006では、FlexRay コントローラ内蔵マイコン「M32C/FlexRay」お よびバスドライバIC「R2A25410」を搭載した評価ボードでTOPPERS/OSEK を動 作させ、FlexRay 電動カートの制御を行なっています。

■(株)アルファプロジェクト No.8

ARM9 コア搭載、組込み向けマルチメディアプラットフォームの CPU ボード「EMP-ARM9」をご紹介致します。この製品は TOPPERS/JSP とTINET を実装し、統合開発環境であるEclipse によるクロス開発環境を提供しています。LCD コントローラ、 PAL/NSTC 出力、音声入出力、タッチパネルコントローラ、USB2.0 等のヒューマンインターフェイスを装備しています。導入キット 「EMP-ARM9 開発キット」も用意されておりTOPPERS の開発リ ソースが添付されています。

■(株)エーアイコーポレーション No.9

★リモートリンクローダ機能搭載μITRON4.0 仕様OS
「TOPPERS-Pro/TOPPERS-Pro セキュア」
TOPPERS-Pro に搭載されているリモートリンクローダ(RLL)は、ITRON のプ ログラムの部分的な入れ替え・追加機能を実現したミドルウェアです。ネット ワークによるリモートメンテナンス、メモリカードを使ったフィールドアップ デートが実現可能です。

★TOPPERS ソリューション
「FeliCa 対応組込み開発キット(FEK)」
TOPPERS/FI4 カーネルをベースとしたFEKは、非接触IC カード技術方式FeliCa (フェリカ)に対応した組込みシステムの開発キットです。開発に必要となる 開発環境、ハードウェア、TOPPERS-Pro、ミドルウェア、SDK for FeliCa(バ イナリ提供機能限定版)がすべて含まれています。

■(株)イーエスピー企画 No.10

Interface 誌付録SH2 基板を活用するためのベースボードを紹介します。LAN コントローラ、CF カード・スロット、MMC(SD)カード・インターフェイス、 USB インターフェイス、電源(3.3V,5A)を備えています。CPUカードも順次開発 予定です。リアルタイムOS の実装、ファイルシステムの開発により、組み込 み技術の評価学習プラットフォームとして活用可能です。

弊社は長年にわたる技術教材開発の経験を生かして開発したリアルタイム制御 モジュール、近赤外セキュリティ・カメラ、マイクロコンバータ基板、ロボッ ト制御基板、センサ基板など組込みコンポーネンツも紹介します。

■(株)ソリトンシステムズ No.11

★協調設計支援ツール:SystemBuilder
★C言語高位合成ツール:eXCite
★HDLシミュレータ:ActiveHDL

当社ブースでは、TOPPERS ベースで開発された協調設計支援ツール 「SystemBuilder」を中心に、C言語から容易にHWの作成が可能な高位合成ツー ル「eXCite」ならびに「eXCite」より出力されたRTL(HW)をシミュレーショ ンする統合HDL 環境である「Active-HDL」を展示しております。また、 「eXCite」はお求め安いFPGA バージョンをリリースいたしました。

■(株)豆蔵 No.12

豆蔵ブースでは、CMM/CMMI をベースとしたプロセス改善、オブジェクト指向、 UML、テスト手法・技法、形式手法など様々なエンジニアリング技術の導入、 開発現場に即した実践的なエンジニアリング教育などソフトウェアエンジニア リングを専門とする豆蔵ならではの体系化されたサービスをご紹介しておりま す。

豆蔵は、プロセスを中心とし、技術、人の3 つの視点からバランスよくサービ スを提供することを心がけており、製品開発に携わるお客様にとって価値のあ る・効果的な支援を行っています。

■(資)もなみソフトウェア No.13

PizzaFactory3 は組込み向けの統合開発環境です。フリースタンデ ィング、TOPPERS/JSP、TOPPERS/OSEK など複数のソフトウ ェア環境をサポートし、ARM/H8/SuperH/MIPS など複数のハード ウェアアーキテクチャをサポートします。オープンソース統合開発 環境Eclipse およびGCC をベースとして弊社独自のチューニング を加え軽快な動作を実現しました。また、Eclipse が持つプラグイ ンアーキテクチャを最大限に活用、無償提供される基本機能に加え、 各社JTAG ICE との接続機能や検証済みGCCなど、高信頼組込み システムの開発現場のニーズに合わせた拡張機能を柔軟に組み合わ せることが可能です。

■(株)ワイ・デー・ケー No.14

ARM9 とITRON(TOPPERS/JSP カーネル)による組込みネットワーク開発環境 「aZealNET」の紹介、および、採用事例の紹介と、組込み機器向け無線 LAN(802.11a,b,g)モジュールの展示を行います。

★ARM+ITRON 組込みネットワーク開発環境 「aZealNET」
★ARM9 搭載組込み機器用CPUボード 「AZ9360MB」
★組込み向け無線LANモジュール 「ConnectCore W9C」「PCI Express mini Card」
★FPGA 用Ethernet MAC IP 「yMAC」
★AZ9360MB採用RFIDリーダーライタ

■TOPPERS プロジェクト No.15

教育ワーキンググループが開発中の教材や開発成果物、応用製品な どの事例紹介を行います。

★教育WG 二足歩行ロボット教材
★IPSECに対応した組込み向けTCP/IP プロトコルスタック
★FPGA ボード
★NEXCESS 教育用ボード、倒立2輪車(PUPPY)

スペシャルセッション紹介

毎年開催しております、スペシャルセッションを本年も開催いたします。 TOPPERS プロジェクトの概要とマルチコアプロセッササポートの講演(無料)を 行います。すでに定員に達してしまいましたが、当日空席があれば聴講可能と のことですので、カンファレンス事務局にてご確認ください。

11月16日(木) 13:15〜16:45
アネックスホール[ F205 ] 〜TOPPERS プロジェクトの概要とマルチコアプロセッササポート〜

<内容> 敬称略

時間タイトル講師
13:15〜14:00TOPPERS プロジェクトの最近の活動と成果高田広章
14:00〜14:30二足歩行ロボット教育コンテンツの概要竹内良輔
14:30〜15:00TOPPERS 搭載組込みシステム開発事例の紹介堀豊
15:15〜15:45機能分散マルチプロセッサ用リアルタイムOSTOPPERS/FDMP カーネル本田晋也
15:45〜16:15対称型マルチプロセッサ用リアルタイムOSTOPPERS/SMP カーネル田中克哉
16:15〜16:45TOPPERS 組込みコンポーネント仕様(TECS)の概要大山博 司

ET フェスタのご案内

ETで毎年恒例のETフェスタにTOPPERS プロジェクトも本格的に参加します! 提供を予定しているのは、ビール、日本酒などのアルコール飲料と秋葉原名物 の温かい食べ物です。TOPPERS パビリオンで高田会長を囲んで談笑しましょう!

TOPPERS パビリオン

TOPPERS パビリオンは、みなとみらい方面から来ると、 一番奥の入り口を入って、外周路沿いの入り口から2番目にあります。 TOPPERS のサインタワーを目指しておいでください。

ARMフォーラム 出展報告

2006年10月17日、18日に行われたARMフォーラム(会場:東京カンファレンスセ ンター)に出展しました。TOPPERS プロジェクトの紹介、ARM MPCore 向け TOPPERS/FDMP、TOPPERS/SMP の紹介、TOPPERS プロジェクト教育ワーキンググ ループよりロボット教材、会員による事例の紹介を行いました。

また、「TOPPERS プロジェクトにおけるマルチプロセッサ向けRTOS への取り 組み」と題して、名古屋大学の本田氏が講演をされました。会場では、教材ロ ボットが人気独り占めの感があった他、入会希望があったり、TOPPERS/FDMP の質問を頂いたりと、良いPR ができました。

TOPPERS カンファレンス2007 のご案内

TOPPERS カンファレンス2007開催日決まる!

次回で第4回目を迎えるTOPPERSカンファレンス2007 を下記のとおり開催致し ます。毎回少しではありますが改善を重ねて参加者の皆様に満足して頂けるよ うな企画を織り込んでまいります。次回カンファレンスへの参加を是非今から ご検討下さい。

<TOPPERS カンファレンス2007>

開催日:2007年6月15日(金)
会 場:大田区産業プラザ(東京都 大田区 蒲田)

日中組込みフォーラム in 西安

2006年10月9日、中国、西安ソフトウェアパークにて日中組込みフォーラムin 西安が開催されました。中国で最も歴史のある西安( 長安 )にて開催されたこ の組込みフォーラムは、日本側を代表してTOPPERS プロジェクトが参加しまし た。

西安ソフトウェアパークは、西安の中心から南西に位置し、1998年に設立され ました。現在2期工事までがほぼ完了し、2005年には580社が年間82億元の売 り上げを誇る、中国中央位置で最大のソフトウェア産業発信地です。中国に存 在するソフトウェアパークの中で北京、上海、大連に次ぐ第4位の規模です。 このような地域でTOPPERS プロジェクト合同のフォーラムを開催することは、 この地域が組込み関連のソフトウェアに大きな期待と興味を抱いている現れで す。

フォーラムでは、高田会長の特別講演、西北工業大学コンピュータ学院院長周 興社教授と西北大学 田沢教授の講演などが行われ、両国の組込みソフトウェ アに対する取り組みを発表し、200名を超える聴衆を魅了しました。

フォーラムの最後には、TOPPERS プロジェクトと陜西省組込みシステム技術重 点研究室が、組込み技術研究や教育に相互に協力することを確認する調印を行 い、友好色につつまれて閉会となりました。TOPPERS プロジェクトの中国のソ フトウェパーク訪問は、昨年の大連に引き続き、今回が2回目となります。プ ロジェクトとしてどのように関係するべきかをしっかり見極めたいと思います。

TOPPERS 中級実装セミナー

中級実装セミナーを2006年10月19日,20日(基礎編)、26 日、27 日(アプリケー ション実習編)に蒲田の城南地域中小企業振興センターのコンピュータ実習室 にて開催しました。

基礎編では、TOPPERS/JSP とTINET の一般的な使い方の講義を行いました。ア プリケーション実習編ではTOPPERS/JSP1.4.2 に対応した新しい割込み手順な どを実習しました。パソコン持込み可としたことで、個別のインストール対応 などに時間がかかったこと等が、主催者としての反省点としてあげられます。 しかし、パソコン持込みの方も含めセミナーの最後にはどの受講者の方も、教 材の実行の確認まで到達することができました。

開発者会議報告

2006年9月8日、9日の日程で第3回開発者会議が開催されました。開発者会議は TOPPERS プロジェクトが関わるカーネルの仕様及び実装についてカーネル開発 を行う会員に参加資格があり、一泊二日の合宿形式で行われています。通常 TOPPERS プロジェクトの開発活動は電子メールやWeb を使って行われます。し かし、オンラインでのやりとりでは細かい意思を伝えるには限界があり、決定 に至るのが難しいようなケースもあります。開発者会議でこのような課題を克 服し、プロジェクトを前進させる為に重要な会議となっています。

今回はSMP 仕様およびASP 仕様の登場を控え、μITRON4.0 仕様やTOPPERS 標 準割込みモデルに対してどの程度の変更が必要になるかを検討しました。また、 既に早期リリースが開始されているHRPカーネルとASPカーネルの差異について も検討され、議論の過程で新規のカーネルオブジェクトを規定する案が提出さ れました。これらの議論には、μITRON4.0 仕様を出荷しているセミコンダク タメーカの技術者やOSEK カーネルの開発者からも意見が出され、組込みソフ トウェアを俯瞰的に捉えたときにも、齟齬が出ないよう常に注意が払われてい ました。

単にカーネルを使うだけでなく不満に思う点があれば仕様レベルから改善する 事ができるのもTOPPERS プロジェクトのメリットです。これからも年1〜2回の ペースで開発者会議が開催される予定です。皆様の積極的な参加をお待ちして おります。

参加のお誘い

TOPPERSプロジェクトでは,プロジェクトの趣旨に賛同してくださる方の参加 を待っています.TOPPERSプロジェクトに何らかの形で貢献されたい方,プロ ジェクトで開発したソフトウェアをお使いの方,プロジェクトに興味をお持ち の方は,是非入会をご検討ください.

TOPPERS プロジェクトに関するご質問や入会の申込みは,下記事務局宛にお願 いします.また,プロジェクトのウェブサイト(http://www.toppers.jp/)には,活動の 詳細を紹介する資料を置いていますので,ぜひご参照ください.

編集後記

TOPPERS Project Newsletter に最後までお付き合いくださりありがとうござ います。ニュースレターへのご意見がございましたら、TOPPERS プロジェクト 事務局(secretariat@toppers.jp)までご連絡いただければ幸いです。


NPO法人TOPPERSプロジェクト
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