TOPPERS Project Newsletter

第7号(2005年6月28日発行)

TOPPERSプロジェクト
http://www.toppers.jp/

目次

TOPPERSカンファレンス 2005 開催報告
教育WGがTOPPERS of the Yearに!
ESEC2005 出展
TOPPERS クイズラリー at ESEC
TOPPERSプロジェクト,アジアOSSへ
IPAX2005へ出展
IPAの壁は厚い!?
中国普及WG  〜中国に乗り込む!
スーパークリエイター認定!
対談 - 海外戦略
参加のお誘い
お問い合わせ先

TOPPERSカンファレンス 2005 開催報告

2005年5月27日 東京市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」において,TOPPERSカンファ レンス2005を開催いたしました.予定定員100名のところ,大幅に上回る来場 者を迎えTOPPERSプロジェクトの状況や今後の展開について説明いたしました.

また,カンファレンスに先立ち,TOPPERSプロジェクト総会が開催され,昨年 度の事業報告および本年度の事業計画等が承認されました.

カンファレンスのキーノートセッションにおいて,高田会長 ( 名古屋大学 ) が,TOPPERSプロジェクトのドメイン宣言をいたしました.TOPPERSプロジェク トは,日本のもの造り産業を強化する組込みシステム技術を支援し,リアルタ イム性能と製品開発時に「摺り合わせ」が必要な技術に利用できる分野へ注力 します. 摺り合わせ開発に利用するだけであれば,従来のμITRON技術でも十分ですが, TOPPERSはオープンソースとして供給するため,摺り合わせ開発時のカスタマ イズが可能であり,かつ開発効率向上を支援できます.

また,再配布時に変更したソースを再度公開することを条件とするオープンソー スが多いですが,TOPPERSプロジェクトの開発成果を利用する場合,たとえ製 品向けにカスタマイズを行っても公開を必要としません.そのため,製品搭載 用などにより利用しやすい基本部品であるといえます. このように,TOPPERSプロジェクトは摺り合わせ技術に柔軟に対応でき,利用 者の権利を守ることができるものです.TOPPERSプロジェクトはこのような日 本的開発を望む分野を応援します. 以下のお二人に特別講演をして頂きました.

  • 門田 浩氏 ( 情報処理推進機構 組込みソフトウェア開発力強化推進委員 会/NEC日本電気(株) )
    行政が組込みソフトウェア開発を重要視し,政策として組込み業界を支援する 方針の下で,TOPPERSプロジェクトへの期待と関わり方についてご説明いただ きました.
  • 谷川 浩氏 ( 有限責任中間法人JASPAR/トヨタ自動車(株) )
    自動車開発における車両ECUソフトウェア開発が直面している問題点,自動車 業界が一丸となって取り組んでいる標準化活動についての説明とTOPPERSプロ ジェクトに寄せる期待についての講演をいただきました.

その後に開催したTOPPERS曼荼羅セッションでは,6人のパネラーがそれぞれ異 なった切り口でTOPPERSプロジェクトの進むべき道についての意見を述べ,セッ ション参加者の意見を聞き,プロジェクトの方向性を探りました. TOPPERSカンファレンス2005では,TOPPERSプロジェクトの現状を整理し,プロ ジェクトへの期待や要求事項を分析して今後どのような方針で進むべきかを議 論できたカンファレンスであったと思います.カンファレンスでいただいた意 見をもとに,プロジェクトの今後の活動方針を再考して活動いたします.プロ ジェクトの今後の動向にご期待ください.

教育WGがTOPPERS of the Yearに!

この度,TOPPERSプロジェクトでは初めての試みである TOPPERS of the Year の選出と表彰をおこないました.このTOPPERS of the Year はプロジェクト正 会員に投票権が与えられ,一年間 ( 今回はNPO設立から2005年3月末まで ) で TOPPERSプロジェクトに貢献した活動,成果物などに投票していただき,最も 多くの票を得た活動,成果物に与えられる賞です.栄えある第1回目はTOPPERS プロジェクト開発成果を題材に教育コンテンツを開発する「教育ワーキンググ ループ(以下WG)」が受賞いたしました.

教育WGはプロジェクト発足以来,初級教育コンテンツ,中級教育コンテンツの 開発を行いました.また,プロジェクト主体のセミナを実施し,広く一般の参 加者にリアルタイムOSの教育活動を行いました.その成果は非常に有効であり, 内容も充実していることが認められ今回の受賞となりました.

<教育WG主査のコメント>

栄えある第1回目のTOPPERS of the Year,ありがとうございました. 教育WG のメンバーを代表しお礼を申し上げます.教育WGのメンバーは,実際の商品プ ロダクトに参加されている人が多いため,プログラムは書けても教育テキスト や講義は苦手な人ばかりです.また,会社での作業が大変になると,WGに参加 できなくなることも少なくなく,その中で,コンテンツや教材の作成,打ち合 わせ,セミナを行ってきました.さらに,セミナが始まると事務局のお二人に お世話になりっぱなしの状態でした.今回の受賞はWGのメンバだけではなく, TOPPERSプロジェクトの皆さんの協力の賜物と思っています.さて,教育WGの スタートから2年,初級,中級と基本のコンテンツは,ほぼ完成に近づいてい ます.今後は,WGのメンバがやっていて楽しい活動も考えていきたいと思いま す.皆さん,今後とも教育活動にご協力をお願いいたします.

<TOPPERS of the Yearの結果:上位3位>

1位:教育WG活動
2位:TOPPERS/OSEKカーネル
3位:TOPPERS/FI4カーネル

このように,TOPPERSプロジェクトは,プロジェクト内部でも活動を競いなが ら,より魅力ある成果物を提供する土壌が築かれています.来年以降も TOPPERS of the Year を実施する予定ですので,会員の皆様も来年の受賞を狙っ てみませんか?

ESEC2005 出展

2005年6月29日から3日間,東京ビッグサイトで開催される組込みシステム開発 技術展 ( 以下ESEC ) にTOPPERSプロジェクトも出展いたします.ESECでは, プロジェクトの活動報告としてプロジェクトの紹介や教育WGの活動報告パネル, 機能分散マルチプロセッサやTOPPERS/FI4カーネルの機能説明パネル,会員の メリット紹介パネル,TOPPERSプロジェクトから公開しているソフトウェアを 搭載した応用製品を紹介したパネルを展示します.また,実際にご覧いただけ るデモンストレーションとして,教育WGが開発した中級セミナで使用するセミ ナボートとそのサンプル動作,機能分散マルチプロセッサを展示します.更に, TOPPERS/FI4カーネルが搭載されたローランド株式会社製ミキサーの展示を行 う予定です.TOPPERSプロジェクトの開発成果物の製品への適用をお考えの方 は,是非TOPPERSプロジェクトのブースにお越しください.導入に関する様々 な疑問に担当スタッフがお答えします.TOPPERSプロジェクトはESEC会場のほ ぼ中央に出展(ブース番号7-23)しています.

詳細はNewsletter 別冊のTOPPERS MAP at ESEC2005をご覧ください.これは TOPPERSプロジェクトWEBサイトまたは会場内のTOPPERSプロジェクト会員の企 業ブースで入手できます. 皆様のお越しをお待ちしています.

TOPPERS クイズラリー at ESEC

この度,TOPPERSプロジェクトでは新たな試みとして,TOPPERSクイズラリーを ESEC期間中,ESEC会場内で開催します.このクイズラリーは,ESECに出展して いるTOPPERSプロジェクト会員で,本企画に賛同していただけた会員ブース内 にクイズラリー問題を設置していただいています.クイズラリー出展ブース (TOPPERS MAP at ESEC2005に掲載)を見学され,各ブースにあるクイズの解 答をTOPPERS MAP at ESEC2005に記入して,TOPPERSプロジェクトのブースまで お持ちください.

規定数以上正解された方には,抽選ですてきな景品を差し上げます.奮ってご 参加ください.

ただし景品には限りがございますので,景品がなくなり次第,抽選は終了させ ていただきます.予めご了承ください.

<景品例> USBメモリ,PCマウス,サンシェード,レンズ拭き,うちわ,三連温湿度計ク ロック,ポストイット,ペーパーナイフ,ヴィッツのプラモデル,名刺入れ, 携帯電話充電器,ボールペン,液晶クリーナー,卓上クロック,マグカップ, エチケットブラシ,ハンディクリーナー&ストレスメーター,温度計付メモク リップ,メモ・パッド,シャープペンシル,ネックストラップ,書籍 (Executable UML)

TOPPERSプロジェクト,アジアOSSへ

日本と同様,アジア各地においてもオープンソース運動は盛り上がりを見せて います.各国・各地域がOSS ( オープンソースソフトウェア ) に対して期待 するメリットはそれぞれ少しずつ異なり,取り組みの方法も様々です.しかし, 各国が横断的に協力することで迅速かつ低コストで実現できるものも少なくあ りません.協力関係の築きやすさこそオープンソースの利点といえます.日本 の (財) 国際情報化協力センター ( CICC ) は,このような状況を踏まえ,ア ジアOSSシンポジウムという国際シンポジウムを2003年3月から継続的に開催し ています.TOPPERSプロジェクトは,アジアOSSシンポジウムの取り組みに賛同 し,委員を派遣することでシンポジウムの企画運営に協力しています.

2005年3月2日から4日まで開催された北京会議においては,TOPPERSプロジェク ト初級教材の日本語版および中国語版を展示しました.TOPPERSプロジェクト が公式な立場で教材を海外に紹介するのは初めてのことです.世界的に見てオー プンソースの代表格といえばLinuxです.このことはアジアにおいても同様で すが,各国が自国の技術者を育成し産業振興するという立場からすると,より 小さくて可読性の高いソフトウェアが求められています.TOPPERSカーネルは, 既に教材が存在し,安価な機材で開発が可能であること,またμITRON仕様が 日本のデファクトスタンダードであることによる産業への期待もあり,好評を もって迎えられました.

TOPPERSプロジェクトは,既に教材の中国語版を完成させ,今年度は英語版の 作成作業を予定しています.

IPAX2005へ出展

2005年5月18日から5月20日の日程で,東京ビッグサイトにて IPAX2005が行わ れました.IPAXは,独立行政法人情報処理推進機構 ( 以下IPA ) が支援した ソフトウェア開発プロジェクトの成果を扱う展示会です. TOPPERSプロジェク トの成果物には,IPAの支援事業により開発されたソフトウェアが数多くあり ます.今回の展示会では,IPAの支援を受けた成果物のうち,TOPPERS/FI4カー ネルとTOPPERS/FDMPカーネルを中心に展示しました.TOPPERS/FI4カーネルは, ローランド株式会社製デジタルピアノへの採用が公表された直後であったため, 実物のデジタルピアノを展示いたしました.IPAXは,組込みソフトウェアに限 らずサーバやデスクトップ分野のソフトウェアも展示しています.そのため, 来場した方の中には,組込み開発を専門としない方もいらっしゃいます.今回, 具体的な応用例を展示することで,組込みソフトウェアにおいてもオープンソー スが実用になっていることを感じて頂けたようです.最終日には,邑中理事が, 「TOPPERSプロジェクトの成果と今後」という題でプレゼンテーションを行い ました.こちらも立見がでるほどの盛況で,組込みオープンソースに対する期 待の高さに関して手ごたえを得ることができました.

IPAの壁は厚い!?

IPA が公募している各種公募型提案研究事業に本年度4月にTOPPERSプロジェ クト関連から4件 ( 未踏ソフトウェア創造事業 1件,次世代ソフトウェア開発 事業 1件,オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業 2件 ) の申請を 行いました.その結果2件を採択していただきました.一つは未踏ソフトウェ ア創造事業において名古屋大学高田研究室メンバ ( 松原 豊氏 ) による「時 間保護機能を持つ組込みシステム向けRTOSの開発」が採択され,もう一つはオー プンソースソフトウェア活用基盤整備事業において,プロジェクトメンバの( 資 )もなみソフトウェアによる「組込み向けオープンソースGUI開発環境の整 備」が採択されました.TOPPERSプロジェクトから2件のテーマが採択されたこ とは非常に喜ばしいことであり,行政,業界の両側面からTOPPERSプロジェク トへの期待が高いことを示しています.

一方,TOPPERSプロジェクトで活発に活動しているコンポーネント仕様WGは, 採択に向けたヒヤリングまで進んだにも関わらず,不採択となりました.現在 の組込みシステムでは実現されていないコンポーネント技術だけに非常に残念 です.しかし,プロジェクトは引き続きコンポーネント仕様WG活動で組込みコ ンポーネント技術を継続開発します.また,今後も各種公的予算申請を積極的 に行い,プロジェクトが考える次世代リアルタイムOS技術の開発に最大限努力 をいたします.引き続きプロジェクトの活動にご理解とご支援をお願いいたし ます.

中国普及WG  〜中国に乗り込む!

TOPPERSプロジェクト 中国普及WGは,WGの活動の一環として2005年6月19日か ら26日に,中国普及ツアーを実施いたしました.高田会長や中国普及WGの山本 主査を中心とした普及活動団は,北京,武漢,大連,上海にある研究所,大学, 企業を訪問し,TOPPERSプロジェクトの特徴を説明しました.また,高田会長 は各訪問先で大勢の現地スタッフ,学生を前に登壇され,現在の日本における 組込み業界の状況,日本が中国に対する期待などを力強く講演されました.中 でも,大連で開催されていた「第二回 中日組み込みソフトウェア ( 大連 ) フォーラム」においての基調講演では,中国各地から集まった多くの聴衆 ( 約250名 ) が熱心に日本の組込み技術とTOPPERSプロジェクトの説明を聞いて いました.更に,この会議には日本経済産業省商務情報政策局 情報処理振興 課課長の小林氏も参加され,日本の組込みソフトウェア開発力を進めるための 行政支援について基調講演をされました.

現在中国では,国策でLinuxを用いた組込みシステムの研究を盛んに行ってい ます.しかし,いくつかの研究機関では,Linuxを組込み用OSとして用いる場 合の限界を理解しつつあり,日本のμITRON仕様には非常に興味を持っていま した.今回の普及活動では,μITRON仕様であるTOPPERS/JSPおよびFI4カーネ ルを中心に講演および説明を行い,訪問先や聴講者からは,是非,TOPPERSプ ロジェクトと共同で研究をしたいなどの意見をいただきました.また,教育WG が作成した初級セミナ資料(中文対応)を熱心に読み,研究機関でのセミナ資料 としての使用方法を検討していました.今回の訪問を機会に,中国への普及が 一歩進んだことを実感できる訪問となりました.なお,中国普及ツアーに関す る詳細は,次号のNewsletterに掲載を予定しています.

スーパークリエイター認定!

IPAの2004年度未踏ソフトウェア創造事業の採択を受けた名古屋大学の本田晋 也氏がスーパークリエイターに認定されました.未踏ソフトウェア創造事業で は,毎年度の事業終了時点で担当プロジェクトマネジャー ( PM ) から特に優 秀であると評価された開発者を「天才プログラマー/スーパークリエイター」 と認定しています.本年度は本田氏をはじめ15名が認定されました.

機能分散マルチプロセッサ向けのリアルタイムカーネルであるTOPPERS/FDMPカー ネルは未踏ソフトウェア創造事業の一環として開発されたものであり,これに よりTOPPERSプロジェクトに多大なる貢献をされました.

<本田氏のコメント>

この度2004年度の未踏ソフトウェア創造事業の成果により,スーパークリエイ ターの認定を頂きうれしく思っております. TOPPERS/FDMPカーネルは,2004年度の未踏ソフトウェア創造事業の一環として 開発しました.TOPPERS/FDMPカーネルの仕様と実装は共に我々の研究室での長 年の研究成果に基づいたものであり,高田先生を初めとする研究室のメンバの 方々に協力いただきました.また,公開に先立ちコードレビューに協力してく ださったTOPPERSプロジェクトのメンバーの方々に感謝します.そして,開発 の機会をくださったPMの早稲田大学の中島先生とIPAに感謝します.今後は, スーパークリエイターという名前に負けないよう,またTOPPERプロジェクトの 発展のため努力していくつもりです.

対談 - 海外戦略

今回の対談はTOPPERSプロジェクトの成果物を海外に普及させるためにどのよ うな方法をとれば良いかを,検討してみたいと思います.

編:

現在,TOPPERSプロジェクトで公式に海外普及をしているのは中国普及WGだ けだと理解していますが,なぜ,中国なのでしょうか?

運1:

明確にどの国から普及させるべきかという目的はありません.ただ,プロジェ クトの特徴として,利用したい人が利用したいように活動するのを阻害するつ もりはありません.したがって,たまたま中国に普及したいと願った方がいた ということです.

編:

そうでしたね,TOPPERSはボランティアベースの活動でした.それでは,現 在中国普及活動はどの程度進んだのでしょうか?

運2:

まだ,中国普及としてはやっと出発点に立ったばかりだと理解してくださ い.現在までにTOPPERSプロジェクトのWEBサイトで特定ページの中文対応が完 了しました.また,教育WGの初級教育コンテンツの中文対応が完了しました. しかし,本当の意味での普及はこれからだと思います.

編:

徐々に中国普及のための資料が整い始めたとところですね.中国と言うと, コピー天国とか権利に関する感覚が低く,日本からは技術が流出するだけだと いうことが懸念されますが,そのあたりはどのようにお考えですか?

運1:

日本ではオープンソースで中国ではオープンソースとしないということは,現 在のネットワーク環境では考えられません.TOPPERSプロジェクトの成果がオー プンソースである限り,誰でも使えます.オープンソースで開発している技術 の流出を懸念することは,おかしなことです.どうせ流出するなら,プロジェ クトとして方針を決めて対応した方が得策だと考えます.また,今後非常に大 きなマーケットが見込める中国に,TOPPERSプロジェクトの開発成果が普及す ることは,プロジェクトの発展に寄与することはあっても,阻害する要因は何 もありません.

編:

すなわち,どうせ流出するなら,プロジェクトが主導権を握って,TOPPERSの ブランド価値を保ったまま普及させると言うことですね.

運2:

現在,TOPPERSプロジェクトから公開しているオープンソースの基本となる技 術は,既に日本では枯れた技術です.枯れた技術のビジネスは,価格競争に陥 ります.日本は,組込み技術の先輩として,得意な擦り合わせを含めた一歩先 の技術を用いて,高付加価値のビジネスを目指していきたいですね.それに, プロジェクトは何でもかんでもオープンソースにすることを奨励しているわけ ではありません.TOPPERSのライセンスの良いところは,そのまま商売に使っ ても良く,TOPPERSを元に開発した成果を公開する必要は無いということです. まさに,ビジネスに対して徹底的に配慮したオープンソースといえます.

編:

オープンソースはビジネス戦略に結びつきにくいと言われますが,オープンに するものとオープンにしないものを判断することにより,戦略が立ちやすいと いうことですね.

運1:

TOPPERSが普及し,それをうまく自社の戦略に結びつけることができれば, 決して儲からないビジネスモデルとは思いません.既に,数社ですがTOPPERS プロジェクトを利用して,効率のよいビジネスを実践している会社もあると聞 いています.

編:

オープンソースの特徴を良く分析して,自社のビジネスと結びつけると利益を 生むモデルができると理解しました.それでは,中国以外の普及計画はありま すか?

運2:

各国毎の対応がプロジェクトでできるかと言えば,すべてにおいて難しいと思 います.もちろん,各国から会員が集まり,作業をしてくれるなら別ですが, さすがにそれはないでしょう.ですから,プロジェクトとしては各種コンテン ツを英語化する計画はあります.各種コンテンツを英語化すれば,他国への対 応は日本語よりは容易だと思います.また,都合よく,CICC ( 財団法人 国 際情報化協力センター ) が英語化の予算をつけてくれそうです.

編:

それは喜ばしいことですね.公的機関からの資金援助をいただければ,英語化 は急速に進むことが期待できますね.また,英語化が完成すれば,各国への対 応は急速に進みそうですね.

運2:

会員の中には,英語化に積極的なメンバーがいます.そのメンバーが中心とな り,英語化を進めようと計画しています.また,英語は他言語対応の元となる 言語なので,英語化には正確かつ明瞭であることが求められます.そのため, プロジェクトではネイティブな技術者による監修ができないかを検討していま す.

編:

英語は中国語以外への対応を視野に入れた対応だと理解しました.今後,大き なマーケットが期待できる中国とよりグローバルな展開を視野に入れた英文対 応など,TOPPERSプロジェクトは積極的に海外への普及を目指していることが 理解できました.日本が得意とするものづくりを活かし,規格だけではなくリ ファレンスコードを含めた普及が成功することを祈ります.今日はありがとう ございました.

参加のお誘い

TOPPERSプロジェクトでは,プロジェクトの趣旨に賛同してくださる方の参加 を待っています.プロジェクトの会員となることで,次のようなメリットがあ ります.

  • プロジェクトにおけるソフトウェア開発に参加できる
  • プロジェクトで開発したソフトウェアを早期に入手できる
  • プロジェクトで開発するソフトウェアに対して要望をだせる
  • プロジェクトの主催・共催するセミナに会員費用で参加できる

NPO法人の会員には,主に団体を対象とした正会員と,個人を対象とした準会 員に加えて,プロジェクトに貢献して戴ける教育機関・公的機関・非営利団体・ 個人で会費を支払うことが難しい方を対象とした特別会員の制度を用意してい ます.

TOPPERSプロジェクトに何らかの形で貢献されたい方,プロジェクトで開発し たソフトウェアをお使いの方,プロジェクトに興味をお持ちの方は,是非入会 をご検討ください.

お問い合わせ先

TOPPERS プロジェクトに関するご質問や入会の申込みは,下記事務局宛にお願 いします.また,プロジェクトのウェブサイト(http://www.toppers.jp/)には,活動の 詳細を紹介する資料を置いていますので,ぜひご参照ください.

編集後記

TOPPERSニュースレターに最後までお付き合いくださりありがとうございます. 本号の編集は,なんと,中国訪問中に作成しました.訪中期間はESEC2005開催 直前で,非常に忙しい時期での訪問でしたので今回もドタバタ編集となりまし た.毎度毎度で進歩がない自分に情けない...今回のニュースレターでは中 国普及活動について詳しくお伝えできませんでしたが,中国は組込み技術に注 目しています.中国と連携して活動することにより,組込み業界の発展が見え るような気がしました. ニュースレターに対する要望などがございましたら, (株)ヴィッツ服部( hat @witz-inc.co.jp )まで,ご意見ください.待っています!


NPO法人TOPPERSプロジェクト
http://www.toppers.jp/
社団法人 日本システムハウス協会内
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-8-12 東実年金会館8F
TEL&FAX (03)3865-5616 Email: secretariat@toppers.jp