(toppers-users 2196) プレス発表のお知らせ

MANABE Mayumi mayumi @ toppers.jp
2005年 10月 20日 (木) 10:29:24 JST


TOPPERSユーザの皆様へ

いつもお世話になります。TOPPERSプロジェクト 事務局 真鍋です。

NPO法人 TOPPERSプロジェクトは、本日(20日)付けで、以下の通り発表いた
しましましたのでお知らせします。

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                            2005年10月20日
                      NPO法人 TOPPERSプロジェクト
                        http://www.toppers.jp/

         次世代の車載ネットワーク対応の
     OS拡張機能とミドルウェアを世界に先駆けて開発

名古屋大学 大学院情報科学研究科 組込みリアルタイムシステム研究室(高田
・冨山研究室)、(株)ヴィッツ、(株)サニー技研は、共同で、次世代の車載ネッ
トワークであるFlexRayに対応するためのリアルタイムOSの拡張機能と通信ミ
ドルウェアを、世界に先駆けて開発しました。

今回開発したソフトウェアは、FlexRayによりネットワーク全体で同期した時
刻にあわせて各種の処理を起動するためのタイムトリガモジュール(TTM)、 
FlexRay用の通信ミドルウェアであるTT-COM、FlexRay用のネットワーク管理ミ
ドルウェアであるFlexRay-NM、FlexRayコントローラのデバイスドライバ、そ
れらの設定情報を生成するためのシステムジェネレータ(SG)から構成されま
す。これらのOS拡張機能およびミドルウェアは、TOPPERS/OSEKカーネルの上で
動作します。

開発ターゲットとしては、(株)ルネサス テクノロジ社製のM32Cプロセッサと、
同社製のFlexRayネットワークコントローラを用いました。開発にあたっては、
ルネサス テクノロジの支援を得ています。今後、他社のプロセッサおよび
FlexRayコントローラへもポーティングする計画です。

開発者らは、今後、これらのソフトウェアを、FlexRay対応の標準的なソフト
ウェアの叩き台として、高田・冨山研究室よりJasPar(*1)に提案する計画です。
また、AUTOSAR(*2)のメンバ社を通して、AUTOSARでも検討していただけるよう
提案したいと考えています。それに向けて、年内をメドに、TOPPERSプロジェ
クト会員に加えて、協力いただける自動車メーカや自動車部品メーカ向けにも
開発したソフトウェアをリリースし、評価をお願いする予定です。また最終的
には、オープンソースソフトウェアとして、TOPPERSプロジェクトから一般に
配付する計画です。

開発したソフトウェアの詳細については、10月24日(月)に幕張で開催される
Automotive Technology Days Autumn 2005において、TOPPERSプロジェクト会
長/名古屋大学教授の高田広章が発表します。このセミナーの開催要領につい
ては、http://techon.nikkeibp.co.jp/seminar/051024.htmlを参照ください。
また、11月16日(水)〜18日(金)に横浜で開催されるEmbedded Technology 2005
(http://www.jasa.or.jp/et/)のTOPPERSパビリオンにおいて、開発したソフ
トウェアのデモを行う予定です。

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(*1) JasPar(Japan Automotive Software Platform Architecture)は、日本
の自動車メーカが中心となり、自動車制御システム向けのネットワーク技術、
ミドルウェア、ソフトウェア基盤等を協調して開発するために、2004年9月設
立された団体です。JasParについての詳細は、http://www.jaspar.jp/を参照
ください。
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(*2) AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)は、欧州の自動車メ
ーカや自動車部品メーカを中心に設立された自動車の電子アーキテクチャのオ
ープンな標準を作成するための国際的な団体です。AUTOSARについての詳細は、
http://www.autosar.org/を参照ください。
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有限責任中間法人JASPAR 運営副委員長 谷川浩氏(トヨタ自動車株式会社 車
両技術本部 統合システム開発部 第1開発室室長)のコメント
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大規模化複雑化する電子制御システムの基盤技術を共同で開発し標準化するこ
とを目的に発足したJasParです。 これまでは、次世代通信「FlexRay」の仕様
を具体的に製品化するための技術開発に特化した活動を推進し、開発・標準化
の流れや仕組み作りを行なう中、具体的な共同開発の成果も見えてきました。
次のテーマとして、ソフトウェア・プットフォーム(PF)標準化を着手するに
あたり、通信ソフトの部分はソフトウェアPFの中で最も重要なパートのひとつ
であり、業界各社の思惑を整合させることが難しい領域でもあります。このた
び、TOPPERSからオープンで具体的なソフトウェアをご提供いただくことは、
JasParがリーダーシップをとって国際標準化活動を加速するための起爆剤とな
ると期待して止みません。

(株)ルネサス テクノロジ 自動車事業部 自動車応用技術第三部 部長 浅野真弘
氏のコメント
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このたび、組込みソフトウェアへの造詣が深い大学と、技術力の高いソフトウェ
ア企業のご協力のもと、次世代車載ネットワーク対応リアルタイムOSの拡張機
能と通信ミドルウェアを開発されたことを、半導体メーカの立場として喜ばし
く思います。

今回の開発成果により、各自動車メーカ殿が共通で使用可能な標準ソフトウェ
アのベースを提供されることは、ソフトウェア開発の高効率化だけでなく、品
質の高いソフトウェア基盤の実現に貢献されるものと信じております。

また、開発ターゲットであるFlexRayに関しましては、現在、当社を含め多く
の半導体メーカでFlexRay内蔵マイコンが開発されていますが、それらのマイ
コンにはファームウェアが不可欠となります。今回開発された標準ソフトウェ
アによりFlexRay内蔵マイコンの導入が加速され、かつ急速に進化している自
動車のエレクトロニクス化により発生している多くの問題点を解決されると期
待しています。

TOPPERSプロジェクト会長/名古屋大学教授 高田広章のコメント
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今回開発したソフトウェアは、産学の連携により、日本の自動車業界の最先端
の要求にこたえるべく開発したものです。我々は、これらのソフトウェアの国
際標準化を通じて、自動車産業と技術の発展に貢献していきたいと考えていま
す。そのため、今後、できる限り多くの自動車メーカや自動車部品メーカに評
価していただき、より良いソフトウェアへと改良していきたいと考えています。
また我々は、経済産業省の平成17年度地域新生コンソーシアム研究開発事業
(中部地区)の採択テーマとして、TOPPERS/OSEKカーネルへの保護機能(メモ
リ保護、時間保護)の導入や、CANおよびLINの通信ミドルウェアの開発にも取
り組んでおります。これらの成果を統合して、次世代の標準的な自動車制御プ
ラットフォームを実現していきたいと考えています。

お問い合わせ先
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本発表に関するお問い合わせは、以下にお願いします。

  NPO法人 TOPPERSプロジェクト
  〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-8-12 東実年金会館8F
          社団法人日本システムハウス協会内
  TEL&FAX: (03)3865-5616
  Email: secretariat @ toppers.jp



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真鍋まゆみ(MANABE Mayumi)
secretariat @ toppers.jp
NPO法人TOPPERSプロジェクト事務局
 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町1-8-12
       東実年金会館8F 
       (社)日本システムハウス協会内
 TEL&FAX: 03-3865-5616
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